個人の方は初めて解体工事をするという方がほとんどだと思います。 一般的な家屋を解体する場合の流れに沿って注意点などまとめてみました。
1.工事前にすべきこと
【1】現地調査
まずは解体業者に現地を調査してもらい、正確な見積もり金額を出してもらいましょう。
構造や立地条件、建物の状態によって金額が違います。
また、可能な限り立会って内部(処分品など)も見てもらいましょう。立会いすることで業者さんの対応なども見られると思います。
【2】見積もり書を受け取る
現地調査に基づき、見積もり書を提出してもらいましょう。現地調査後おおよそ2、3日~1週間程度で提出されます(規模などによっては時間がかかる場合があります)。
見積もり内容は解体サポートでもチェックしております。
相見積もりを取られる場合は、工事内容が同じか確認しましょう。総額だけを見て安い業者にお願いすると見積もりに含まれていない工事があり、結局高くなったということになりかねません。
【3】工事の依頼
見積もり内容を精査し納得した上で契約。事前に工事内容の最終確認をしましょう。
【4】近隣挨拶
実際に解体工事が始まると、近隣の皆様には少なからずご迷惑をお掛けすることになります。もちろん業者さんもしますが、できればご自身でも近隣の方にご挨拶しておきましょう。
【5】引込配管、配線の撤去の手配
電気、ガス、水道など、それぞれの業者に連絡をし、撤去の依頼をお願いします。
電気…電力会社に電気の停止・電気メーター、引込線の撤去を依頼して下さい。
ガス…都市ガスの場合はガスメーターの閉栓撤去・ガス管の地境切断を依頼して下さい。プロパンガスの場合はガスボンベの撤去依頼をして下さい。
浄化槽・便槽…専門の清掃業者に汚物の清掃を依頼しましょう。解体業者に相談してもOK。
有線・CATV…移設して引込線の撤去を依頼して下さい。
水道の移設…特に工事中にホコリの飛散を防ぐために散水用に使う事が多いので、完全に撤去せず業者さんにお聞きください。
【6】役所への工事の届出
解体工事では延床面積が計80㎡以上の建築物を解体する場合には、建設リサイクル法の対象となるため、届出が必要となります。(関連リンク:「建設リサイクル法」)
解体業者に代理で行っていただけますので工事を依頼する際にお願いしましょう。
2.工事の流れと注意点
【1】足場養生の組み立て
解体工事は高所での作業が伴うため、まず足場養生の組立を行います。その際、防音シートや防炎シートをかけ、騒音やホコリを防ぎ、近隣の方のご迷惑を最小限にします。
【2】建物内部の解体(内装解体)
建物から手作業で撤去できるものを撤去します。
例)たたみ、サッシ、断熱材、建具、瓦、内部造作、住宅設備機器、石膏ボード、不要品(タンス・衣類など)
【3】建物本体の解体
重機で壁、屋根、梁、柱などが残った上屋を解体します。立地によって重機の大きさが変わります。小型の重機も入らないような場所は手作業で解体していきます。
【4】基礎の解体
基礎を掘り起こし撤去していきます。ほこりが飛ばないように、水をまきながらの作業となります。
【5】廃材の分別・収集・搬出
上記2~4は廃材を木材、鉄、プラスチック、コンクリートガラなど分別しながら行います。細かなものは手作業で分別をしながらの作業となります。
【6】地中の確認
家屋解体終了後、廃材が地中に残ったりしていないか30~50㎝程掘り起こします。稀に以前のものと思われる基礎や瓦などが埋められている場合もあります。その場合はその量によって別途費用がかかるため、業者から依頼者にご報告した上で撤去することになります。
【7】整地
解体後の地面を平らに整地します。しかし、一言で整地といっても業者によって大きな差がでます。
また解体後、駐車場にする場合は砕石を敷いたり、コンクリートやアスファルトによって舗装を施します。
<解体工事の流れ>
一般的な家屋の工事期間は1週間~10日間程度です。
3.解体後にすべきこと
【1】現地確認
能であれば立会いのもと残存物がないかなど確認しましょう。
遠方にお住まいでどうしてもすぐに現地を確認できない場合はメールなどで写真を送ってもらうようにお願いしましょう。
【2】建物滅失登記
工事代金を支払い、解体業者から「建物滅失登記」に必要な書類を提出していただきます。
まとめ
解体工事の手順を把握しておこう
何もわからないからすべて業者に任せるのではなく、自信もどのような手順で工事が進んでいくのか事前に把握しておきましょう。
どれだけ注意をしていてもトラブルが起きる場合がありますが、工事内容の食い違いや、近隣トラブルなど未然に防げるものもあります。
大切な家屋を解体するわけですから、気持ちよく終われるようにしましょう。
チェックリストもご活用ください