深刻…。空き家の現状とその問題点について
その数846万戸! 空き家の現状
少子高齢化と人口減少社会、住宅需要の都市部への移動などにより、およそ7戸に1戸は空き家というのが現状です。(※全国の空き家総数は約846万戸。 空き家率は13.6%)
そのうち、使用目的や管理が明確化されていない空き家は約35%を占め、その数は250万戸以上。15年前の約180万戸から急増しています。
なかでも東京都が19万戸、大阪府は約18万戸、福岡県約10万戸と、大都市部で深刻な事態となっています。
さまざまな理由によりこの空き家が社会的な問題になっていて、全国的に大きな行政課題ともなっています。「空き家数」及び「空き家率」の推移【全国】(昭和38年~平成30年)
深刻化する空き家問題
今や社会的な問題となっているこの『空き家問題』。
その問題とされている点をいくつかあげます。
景観・治安の悪化
適正な管理がされていない空き家では雑草が高く伸びてしまったり害虫などの繁殖の原因となってしまうことがあります。景観が悪化すると地域全体の治安が悪化する事の原因になりえます。※参照「窓割れ理論」
驚くことに空き家率と犯罪率は比例するとも言われています。周辺にお住まいの方からするととても迷惑ですので、空き家所有者にクレームが来てしまう可能性が高いです。
安全面の低下
定期的な換気などの適正管理をしないと木造の建物はどんどん構造が弱くなり、長期間放置された空き家は地震などの災害が発生した場合に倒壊の危険性が増します。
また、屋根材や外壁材の一部がはがれて落ちてしまったり、台風などで建物の一部が飛んでしまう危険性を伴います。
火災発生の誘発
あまり考えたくないかもしれませんが、火災原因の第一位は「放火」で、第四位の「放火の疑い」を合わせると約20%となります。つまり火災の5件に1件は原因が「放火」または「放火の疑い」なのです。
空き家は人の目が届きにくいので、いわゆる放火犯に狙われやすく、燃えやすいもの(枯草、ゴミ、郵便物など)が放置されていると標的となりやすいのです。
不審者や動物侵入の恐れ
空き家に不審者が勝手に入り込んで長期間寝泊りをしているというような気味の悪い事が実際に起きています。
また、猫やネズミなどの動物が住み着いてしまうケースも起こり、その後賃貸物件として人に貸そうとしたときに使えない状態になっているということも頻繁にあるようです。
鍵をしっかりとかけていても人の目が無ければ窓やドアを壊してしまえば簡単に侵入出来てしまいますし、動物はほんの少しの隙間からでも入れてしまいます。
このように深刻化する空き家問題への対策として、
平成27年2月26日に「空き家対策特別措置法」が施行されました。
⇒詳しくはこちら
割れ窓理論とは
1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、
「この建物はだれも管理していない」
という推測を生み、さらに割られる窓ガラスが増え、軽犯罪が起きるようになる。やがて地域住民のモラルも低下し、環境を悪化させて、いずれ街全体が荒廃してしまうという、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士が提唱した理論。(ブロークンウインドウズセオリー)
かつて、犯罪多発都市ニューヨーク市で、1994年以降、当時のジュリアーニ市長が、この「割れ窓理論」を実践した。割れた窓の修理や落書きなど軽微な犯罪の取締りを強化した結果、犯罪が大幅に減少したと言われています。
空き家が問題とされるのには、この「割れ窓理論」が話に取り上げられる事が多いようです。空き家に放置されたゴミや手入れがされていない庭木などにより、地域の秩序が乱れ、やがて大きな犯罪に繋がっていくと言われています。
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