どうする?遠方にある実家・空き家の解体工事
ご親族の他界や高齢化により、自分が住んでいる場所から遠く離れた土地にある実家を解体する必要に迫られたことのある人や、今後その可能性のある人はどんどん増えているようです。
実家に限らず、賃貸物件として貸していたアパートや家作などが老朽化により放置されたまま他の地域へ引っ越したという方もいらっしゃるでしょう。
解体が必要な物件を遠方に所有する人の多くは、「その土地の解体業者を探せない」「見積もりや工事の立会いに行けない・交通費がかさむ」「家の中を片付けられない」などの問題に頭を抱えていらっしゃいます。
そんな「遠方の家の解体」について、気を付けるべきポイントをお伝えしていきます。
すぐに解体しないといけない?
遠方に解体すべき物件をお持ちの方の中でも、「今すぐにでも解体してしまいたい」というパターンと「できるだけ先送りにしておきたい」という2つのパターンに分かれると思います。
まず「今すぐに解体しなければならない」義務が生じるケースとしては、その遠方に所有する建物が「空き家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法)」により「特定空き家」に指定された場合に限られます。特定空き家に認定されれば、まずは建物の撤去を命令され、それに従わない場合「行政代執行」による強制的な解体となる場合もあります。
ここで重要なのが「(代執行がなされた場合)解体費用は建物の所有者に直接請求される」点と、指定期限までに支払われなければ国税の滞納処分などと同等の強制徴収も認められているという点です。
再三の命令にも従わない場合は最大50万円の過料が科せられるので、「特定空き家」と認定された場合については、直ちに解体工事の計画を進めなければなりません。
ただし、よほど老朽化が進んでいない限りは上記に当てはまらないケースの方がほとんどだと思いますので、大抵はご自身の希望の時期に解体工事を進める形で大丈夫かと思います。
遠方にある建物を放置するリスク、「空き家リスク」
特定空き家に指定されていないからと言って、いつまでもそのままにしていて良いということではありません。遠方にある建物(空き家)を放置していると、下記のようなリスクがあることも是非頭に入れておいてください。
不法投棄のリスク
壊れた自転車やバイク、ビニール傘、空き缶など、さまざまなゴミを敷地内に投棄される事があります。
近隣からのクレーム
空き家が長い期間放置されて草木が茂りだすと、害虫やネズミなどが発生し衛生的に問題になってきます。ひどくなるにつれ自治体宛てに苦情が入るようになりますが、そこまでいくと衛生上の問題や危険性が指摘され、上述の「特定空き家」に指定される可能性も出てきます。
火災のリスク
人が住んでいる気配が無いと、子どもや不良が火遊びの場所として利用しだす可能性があります。それだけでなく、火の始末を怠ったタバコを投げ捨てられる危険もありますし、その全てが大きな火災に繋がる可能性をはらんでいます。万一隣家がもらい火で被害に遭ってしまった場合など、裁判沙汰となるケースも考えられます。
近隣への損壊事故
建物が老朽化すると、風雨により屋根の瓦が落下したり、外壁が剥がれ落ちたり、ブロック塀などが倒れてしまうことなどが考えられます。飛んだ瓦や外壁の破片、窓ガラスなどが万が一通行人などに当れば、その損壊・損害について賠償の責任が所有者にかかってきます。
建物管理の手間・費用
上に挙げたような被害を防ぐためには、所有者が定期的に現場へ行って管理することが一番ですが、遠方であればあるほど交通費がかかってきます。また、建物の修繕や周囲の掃除・除草作業にも決して少なくない手間や費用がかかります。
離れているからこそ大切な「解体業者選び」
いざ解体することを決意すると、その建物のある地元の解体業者の中から依頼する業者を探す必要がありますが、現在はインターネットで評判などを簡単に調べることもできるため、ご自身で調べることにそこまで不安を感じていないという方もいらっしゃることでしょう。
ネットを駆使して調べることが難しい方でも、私たち解体サポートにご連絡をいただくことで、その工事内容ごとに最適なご提案が期待できる解体業者さんを対象地域の中からご紹介することもできます。(全国対応)
その場合、個人がインターネットを駆使しても辿り着けないような、たとえばホームページを持っていない「掘り出し物」の解体業者さんを候補に入れることが可能となります。(地元密着型の老舗に多いです)
いずれの方法でも、もちろん最終的には解体業者さんとの「相性」もありますので、解体業者と直接電話で話した感覚、立会い調査に同行できるようでしたら、判断材料の一つに加えていただきたいと思います。やっぱり安心してお任せできると思えることが一番かと思います。
都合がつかず、見積もりに立ち会うことができない場合は?
通常、解体工事の立会い現地調査では「解体工事を行う範囲(敷地の境界線)」と「どこまで壊す」「どこまで残す」といった工事対象範囲をしっかりと確認しておくことが大切です。
しかし、遠方の解体となるとどうしても都合がつかず見積もりに立ち会えないというケースも多く発生してきますが、それでも建物を外観から確認して見積もりを出していただくことも出来ます。
ただそのような場合には、可能であれば事前に撮影しておいた「解体範囲を指示する図面や写真」、場所の案内図などを用意しておくと解体業者も迷わず工事に入ることができます。
また、現地調査当日に電話などで工事範囲をリアルタイムにお伝えするなど、意思疎通のミスを防ぐために万全の姿勢をとるようにしておきたいところです。
まとめ
自分の住まいとは離れた場所にある実家や空き家の解体工事。頻繁に様子を見に行けないばかりか、最初から最後まで解体業者との顔合わせすらできないケースも多々あり、不安に思うことも多いと思います。
離れているからこそ「信頼できる解体業者に依頼できたかどうか」が一層重要になりますので、ご自身で探される際は充分に下調べをされることをおすすめします。
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