一般的に言われる「坪単価」は建物本体の解体工事費用。付帯物がある場合には付帯工事費がかかる。
解体業者のホームページなどで、「坪単価〇万円」などと書かれていると、建物の面積にその坪単価をかけると解体費用が計算できると考えがちですが、敷地内にブロック塀や樹木、室内に残置物などがある場合には付帯工事費がかかるので注意が必要です。
代表的な見積もり内訳例(参考例:木造2階建て36坪)
上記の見積もり例ですと、建物本体の解体費用は(1)~(4)までの項目が該当し、木造二階建て36坪の解体費用は約112万円(税別)となります。
しかし、(5)~(13)までの項目がある場合には付帯工事となりその金額は約32万円(税別)で、建物本体と付帯工事の合計見積もり金額は144万円(税別)となります。
(※あくまでも参考程度とお考え下さい。)
■木造2階建て36坪の例
該当項目 | 解体費用 |
---|---|
(1)~(4) | 約112万 |
(5)~(13) | 約32万 |
144万円(税別) |
また、外壁材や屋根材にアスベスト(非飛散性)が使用されているようなケースや、前面道路幅が狭いなどの条件があると、解体費用は割高になります。
このように、解体見積もりには物件の概要や周辺の立地条件などによって、大きく違いが出てきますので、インターネット上での見積り金額は参考程度にとどめておきましょう。
ホームページに『全て込みで坪単価1万○千円』と記載しているサイトがあるようですが、実際には「解体をして出た廃材の処分費用が含まれていない」というように、事実と誤認するような方法で集客しているところもあるようですので十分にお気をつけ下さい。
「見積もり除外項目」とは?
解体工事の見積もり書には「見積もり除外項目」があるのが一般的です。
しかし「プロの解体業者に現地を見てもらったのに見積もり除外項目があるのはなんで?」とお思いの方が多いようですので、こちらで解説いたします。
地中障害物
現地調査の時には、地面の下に埋まっている物は分かりえないので見積もり書には除外項目としてあげられる事が一般的です。代表的なものとしては浄化槽や古井戸などがありますが、ごく稀に、以前建っていた建物の基礎やその廃材が埋められてしまっている事もあります。
こればかりは建物を解体して、掘ってみないと分からないものなので、もし地中から何かが出てきてしまった場合に別途項目となることは仕方ありません。
しかし、通常このようなケースでは地中障害物が出てきた時点で解体業者から 施主(あなた)に報告が入り、可能であれば現地に行ってその確認(難しい場合には写真での報告)をし、見積もりをしてもらってから撤去作業をすることが一般的です。
悪徳解体業者の場合、施主の確認、了解も得ず、証拠(写真など)もなく勝手に撤去し(もしくはありもしないものを撤去したと言い張る)
「地中からガラが大量に出てきて撤去したから、追加で〇〇万円かかりました。」という不当で高額な追加請求をする事が多いので、十分ご注意下さい。
室内残置物
建物の内部を確認できない場合(外観からの見積もり)には、室内に残っている不用品(室内残置物)は見積もり項目からは除外され「別途見積もり」となります。ですので、できるだけ見積もり書に不確定要素を残したくない場合には実際に現地調査に立会い、建物の内部まで確認して頂くことをお勧めします。
見積もり項目に記載されていないもの
こちらはあたり前ですが、現地調査の際に確認できなかったものや撤去の指示(依頼)がなかったものなどは、別途見積もりとなります。例えば、お隣との境界に建っているブロック塀を見積もり段階では壊さない予定が、その後「やっぱりブロック塀は壊してもらおう」となったりした場合などです。
いつどのくらいお金がかかる?
解体費用を支払うタイミング(支払条件)は下記の三通りが一般的です。
【1】着工時に半金(着手金)、解体工事完了の確認をした時に残金の支払い
解体業者が初めてのお客様とお取引をする際の最もポピュラーな支払方法。『お互いにリスクは半々に』という意味合いが強い。
【2】解体工事完了の確認をした時に全額支払い
こちらは施主(あなた)にとって最も好条件といえるでしょう。
大きな金額でない場合にはこの条件が適用される場合がある。
【3】着工時に3分の1(着手金)、工事中間時に3分の1(中間金)、
解体工事完了の確認をした時に残金の支払い
上記【2】とは逆のケースで、工事金額が大きくなるとこのような支払条件になる場合がある。
このように解体費用の支払い方法は、その物件の規模や業者さんの指定方法によってまちまちです。後になって「言った、言わない」などの行き違いを避けるうえでも、お見積もり段階や契約を交わす際にしっかりと確認しておくことをお勧め致します。