土地を使用する際に、その土地の守護神の許しを請うために行う地鎮祭。
または新築を建てる際に、柱・棟・梁などの基本構造が完成した段階で竣工後も建物が無事であるように行われる祭祀である「上棟式」、これらををご存知の方は一般的に多いと思います。
では、反対に家屋や建物を取り壊す時にはどのような儀式が行われるのでしょうか。
解体工事にも儀式はある
日本では家屋を解体する際にも、工事に取り掛かる前にするお祓いの儀式が存在します。
長年家を守ってくれた神様に御礼をし、その家から神様の「気」を抜くための儀式です。
長年お世話になった家には「気」が宿るといわれているそうで、それを抜かずに家を壊してしまうと、ゆき場を失った「気」が障ると言わる事もあるそうです。
これを解体清祓(かいたいきよばらい)と呼びます。
お祓いの費用はおおむね2~3万円、宮司さま神主さまの出張費とお供え物などを合わせると5万円前後になる事が多いようです。
結局は気持ちの問題?
お祓いの儀式は、あくまでも宗教的な伝統なのでお施主さんが必要性を感じなければやる必要はないというのが結論です。
特に遠方に物件をお持ちの方や解体後に売却を検討している方はお祓いをしないのがほとんどです。
解体のご相談を受け始めて17年目の解体サポートへのお問い合わせでも、解体清祓についてのご相談は非常に稀ではございます。
まとめ
解体工事の際にも新築する際と同様にお祓いの儀式は存在します。
新築工事の場合は、今後の安全を祈願して。解体の場合は、今まで守って頂いた御礼を込めてお祓いをするのです。
「解体清祓」の儀式は上棟式などに比べてなじみはあまりないようで、される方は多くはありません。
ただ、長年お住まいになって思い入れのあるご実家を解体するような場合等、お世話になった感謝とお別れの機会を設けたいと思われる方は、一度ご検討してみてはいかがでしょうか。
最後に、「解体清祓」以外にも解体の際に供養や、お祓いを行う慣習のあるものもいくつかあるのでご紹介しておきます。