地盤改良(じばんかいりょう)
建物を建築する際に建物の荷重に耐えられるようにする工事を地盤改良工事といいます。 軟弱地盤の上に家を建ててしまうと家が傾いたり、地域によっては液状化する恐れがあります。
最近では古家付きの土地を解体した後に、事前の地盤調査とその結果によって地盤改良を考えるというご相談が特に増えてきています。
ここで、よくご質問をされる地盤調査と地盤改良の種類について簡単に説明いたします。
地盤調査
スウェーデン式サウンディング試験(SS式試験)
木造住宅を建てる際に地盤の強度を調査するのに最も一般的な試験方法は、「スウェーデン式サウンディング試験(SS式試験)」です。
スクリューの付いたロッドの頭部に100kgまで除々に荷重を加え、土中への沈み込みと、貫入させるために必要なハンドルを回す回数を測定する調査方法。(25cmごとに何回転させたかを測定する)
地盤調査の費用は一般的な住宅でしたら3~5万円程度が一般的なようです。
ボーリング調査(標準貫入試験)
中規模以上のRC造の建物を建てる際はこの調査方法が一般的です。
(金額が高額になるので、一般的に木造物件ではこの調査方法は使われません)
地面にボーリングで穴をあけ、そこに棒状のロッドの上からおもりを自由落下させて貫入させる。
貫入に必要なおもりの打撃回数を測定しすると同時に土を採取し検査をする調査方法。
(63.5kgの重りでロッドをたたき、30cm貫入するのに何回たたいたかを測定する)
表面波探査法
表面波とは地震波の一種で、表面波探査法とは地表から地中に向けて振動波を発信し、地盤の硬さを調べる方法です。
地盤調査の費用はSS式試験よりも割高になりますが、SS式の「点での調査」と比べ、表面波探査法は「面での調査」というイメージで平均的な地盤情報を得ることができ、不必要な地盤改良工事がなくなる場合があります。このことでトータルコスト(地盤調査+工事費)を削減できることもあります。
地盤調査の費用は一般的な住宅でしたら6~8万円程度が一般的なようです。
地盤改良工事
まず、一般住宅を建てる際の土地で多く採用されている地盤改良の工法は「表層改良工法」と「柱状改良工法」の2種類が一般的です。
表層改良工法
表層改良工法とは地表面から深さ2メートル位までを掘り返し、軟弱な地盤の土とセメント系固化材を混ぜて固めることによって地盤を硬くする工法です。
これにより不同沈下(※)などのリスクを防ぐと言われています。
柱状改良工法
柱状改良工法とは地盤の深い部分に軟弱地盤が確認されたときなどに地盤の硬い部分まで柱状のコンクリートを流し込んで杭を打ち込んでいく工法です。
鋼管杭工法
鋼管杭工法とは鋼管杭を回転させながら打ち込んでいく工法があります。軟弱地盤が深く、「表層改良工法」や「柱状改良工法」が使えない場合に利用されます。 また、「表層改良工法」や「柱状改良工法」と違い、地盤自体を改良し固めるのではなく、深い位置にある硬い支持地盤に杭をさして、その杭で基礎を支える工法ですが、コストは先にあげた工法よりも割高になるようです。
※不同沈下とは・・・家を支えている地盤がかたよって沈下する事。地盤が大きくかたよって沈むと建物自体を歪めてしまい、亀裂などが生じることがあります。建物の安全性に問題が出るほど大きく家が傾く現象の事。