意外と知らない?解体工事に使われる重機いろいろ
街中を歩いていると、年に数回は解体工事現場に遭遇することがあると思います。
そこでよく目にするショベルカーやクレーン車など、いわゆる「解体重機」が何の役割を担っていてどんな働きをするのか、さらにはどんなメーカーから出ているのか、気になったことはありませんか?
そんな「知られざる解体重機の世界」を、皆さんにお伝えしていきます。
メジャーな重機メーカー
木造家屋、倉庫、工場、高層ビル、駐車場…。解体現場が様々存在するように、解体重機にも多様な種類があります。
狭いところで能力を発揮するもの、硬いコンクリートをいとも簡単に破砕するもの、廃棄物を効率よく集めるもの。
用途によって見た目も大きさもガラリと変わる重機の数々、一体どんなメーカーが製造しているのでしょうか。
まずは日本のメジャーな企業をいくつかご紹介していきましょう。
・CAT(キャタピラージャパン)
→主力商品:油圧ショベル・ミニ油圧ショベル・ブルドーザーなど
・HITACHI(日立建機)
→主力商品:大型ショベル・油圧ショベル・ローディングショベルなど
・KOMATSU(コマツ)
→主力商品:油圧ショベル・ホイールローダー・ブルドーザーなど
・Kubota(クボタ)
→主力商品:ミニバックホー・ホイールローダー・油圧ショベルなど
・KOBELCO(コベルコ建機)
→主力商品:油圧ショベル・ミニショベル・ホイールローダーなど
・IHI建機
→主力商品:後方超小旋回ショベル・クレーン付きミニショベル・油圧ショベルなど
・ヤンマー
→主力商品:ミニショベル・油圧ショベル・ホイールローダーなど
・川崎重工
→主力商品:超大型ホイールローダー・ホイールローダー・ログローダーなど
・住友建機
→主力商品:油圧ショベル・後方超小旋回ショベル・超小旋回ショベルなど
etc. どうでしょう、日本だけでもこれだけ多くのメーカーが存在しているんです!意外でしたか?それともモノづくりの国・日本たるもの、妥当だと感じたでしょうか。
また、もちろん海外にも有名メーカーを抱える国は多くあります。
・アメリカ
→キャタピラー、テレックス、CNH(Case New Holland)など
・ドイツ
→リープヘル、ヴィルトゲン・グループ、バウアーなど
・フランス
→マニトウ、ファヤットなど
・スウェーデン
→ボルボ、サンドビックなど
・中国
→三一重工(SANY)、Shantuiなど
・韓国
→ヒュンダイなど
特に車好きには、耳馴染みのあるメーカーもちらほらありますね。世界にはこの他にもたくさんのメーカーが存在しますので、もっと種類を知りたい!という方はさらにご自身で調べてみてください。
これを覚えておいて、次に工事現場を通りかかったときに「どのメーカーの重機を使っているんだろう?」と確認してみるのも面白いですよ!
気になるお値段は?
一般的な自動車の何倍も大きな解体重機。お値段も何倍、何十倍に膨らむことは想像に難くないと思いますが、具体的にどれくらいの価格で販売されているのでしょうか?
(新車であることを前提に、)一部の重機の価格帯をご紹介します。
・ブルドーザー
→(コマツやキャタピラーといった有名メーカーのもので)3,000万円~7,000万円
・クレーン車
→トラッククレーン(トラックの上にクレーンが載っているもの)で3,000万円~2億9,000万円
→オールテレーンクレーン(8輪以上の大型の特殊用途自動車)で2,000万円~3億5,000万円
→クローラークレーン(戦車などに採用される無限軌道タイプ)で4,000万円~8億円
・ショベルカー(油圧ショベル・ユンボ・バックホーなどの総称)
→ミニショベルで300万円~800万円
→大型の油圧ショベルで3,000万円~7,000万円
→ホイールローダー(車輪で走行するタイプのトラクターショベル)で900万円~1,200
※掲載している価格は相場の目安です。個々のスペックや大きさによって異なりますので、実際の金額はご自身でお調べくださいますようお願いいたします。
いかがでしょうか。新品価格とはいえ、安いものでも数百万、高いものでは数億円にも上るんですね!
アタッチメントを取り替えるタイプのものでは、これに加えて数十~数百万円が必要なアタッチメントの数だけかかってきます。
どんなに高価で高機能な重機を使っても、結局は「職人技」がすべて
もちろん、どれだけ高価で高機能な重機を使っていても、事故を100%防げるということはありません。
重機の性能は、重機を操作する「オペレーター」の技術があって初めて活かされるものです。熟練のオペレーターともなると、自由自在に、まさに自分の手足のように重機を操ることができます。長年の経験によってテクニックが自然と身についているのです。
このように、重機や解体にまつわる知識を少しでも知っていると、街の解体現場を見つけることがだんだん楽しくなってきますよ。
(通常、解体現場は養生シートで囲われているケースがほとんどですが、)広い土地などで運良く開放的な現場に遭遇できた時は、重機の種類はもちろん「熟練オペレーターさんの鮮やかな手さばき」を間近で見てみてくださいね。
もちろん、仕事のお邪魔にならない程度に…!