《解体小説》空き家編・第六章

 

解体工事を楽しんで学ぼう!解体小説~3つの物語~

 

 

第六章 「いい加減な解体工事と不当な追加請求」

 

 


2週間後、いよいよ実際に解体工事が始まると、ハツヨ婆さんから毎日のように電話が。

 


「ホコリがすごくて洗濯物もまともに干せない」

「うるさくてテレビの音が聞こえない」

「刺青をしている連中が上半身裸で作業している

「外国人の作業員が立ち小便をしていた」

「家の前の道路が泥のついた足跡だらけ」


などなど…。クレームのオンパレード。

 


初めのうちは竜二さんにその都度伝えていたけど、

 


「安くやってやっているんだから目をつぶってくれ。
俺らは解体のプロなんだから、素人が口出ししないでくれ!」の一点張り。

 


ハツヨ婆さんにはもう少し我慢をしてもらったとして、後でお詫びを入れに行かなきゃな。

とにかく工事が無事に終わりさえすればいいだろう。

 


――ところが、工事が最終段階に入ったころ、竜二さんから電話が。

 

空き家編・第六章
「地面の下に昔の廃材が埋まっていたぞ。あと、昔の基礎もそのまま出てきたから、追加料金がかかる。」


「え~っ。そうなんですか。いくら位かかるんですか?」


「もう撤去しちまったが、30万円はプラスになるからな。」


30万円!!


でも『撤去しちゃった』って、それじゃあ本当に出てきたのかどうか分からないじゃないか。

安くしてもらった分は結局、追加料金で調整されたってことか……。

 


「……ああ。そうですか。分かりました。」

 


半ば投げやりな返事をして電話を切った。

 


結局180万円かかって、トラブル続きの現場は解体されて更地となった。

 


何とか解体工事は終わったけど、慣れないことばかりで本当に苦労した。(何度も経験するものではないので慣れることはないだろうけど。)

 

 

 

第五章「不明確な見積もりと…」第七章「知り合いの紹介で良かった?」

 

 

 

解体サポートからの解説

 

 

解体現場のクレームについて

 


解体工事とは騒音をホコリなど、ご近隣の方に迷惑をかけてしまう工事ですが、解体業者さんの気遣いや心配りで最小限にすることが出来るものです。

 


【代表的なクレーム例】

・ヘルメットをかぶっていない職人さんが作業をしていました。大丈夫なの?

・職人さんが地べたで昼寝をしていました。子供が怖がって家から出られません!

・自宅の敷地内で解体業者さんの立ち小便を目撃!ひど過ぎる。

・現場内でタバコをぷかぷか。

・車に傷が!

 

 

 

追加料金

 

追加料金
解体工事の追加料金の代表的なものは「地中障害物」で、こちらは見積もり除外項目として「地中障害物別途」(地面の下に埋まっている何かが出てきた場合は別料金)とされるのが一般的です。

ただ、このケースでは、「施主に確認もせずに勝手に撤去して、その費用を請求する」という事が大きな問題です。

本文にもあるように、「地中障害物があったかどうかの確証がない」のが問題で、実際に「なかった」のに「あった」として追加請求をするような悪徳業者も存在しています。

 


このようなトラブルは良くあるケースですが、常識的な解体業者さんであれば、以下の対応をします。

・地中障害物が出てきた時点で即時施主に報告をする。

・現地にて、もしくは写真にて地中障害物を確認していただき、改めて撤去する見積もりを提出する。

・施主の合意を得たうえで、地中障害物を撤去する。

 

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