建物解体ブログ

建築物と工作物

投稿日:2014年9月1日 更新日:

解体サポートでは基本的に

家屋、ビル、工場、倉庫、橋梁、看板、店舗の内装などなど、

「構造物(建築物や工作物)」の解体相談をメインにお受けしていますが、
中にはクルーザーなどの船舶(=輸送機器)の解体相談を受けることもあります。
(もちろん、提携業者さんには船舶の解体が可能な業者さんも多いです)

さて、ここに出てきた「建築物」と「工作物」という言葉。

新聞なんかでもたま~に見かけますが、この2つの
違いをご存じの方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。

実は建築物は「建築基準法」上に明確に定義されているのですが、
法律の文章は小難しいので、例によってシンプルに書いてみます。

———-

・複数の材料や部品で人工的に作られたものが「工作物」。

「工作物」のうち、

・屋根、柱、もしくは壁を有するもの、またはそれに附属する門や塀
・観覧のための工作物

が「建築物」にあたり、建築基準法の様々な規制を受けるとされています。
(※細かい部分は省略気味に書いていますのでご容赦ください)

———-

法律上の定義ってめんどくさーい!

という方も多いと思いますが、実はこの工作物か建築物かの差って
意外なところで大切な問題だったりするんです。

2011年の東日本大震災では、津波によってたくさんの尊い命が
失われてしまいましたが、それによって日本各地の太平洋側沿岸部で
津波時に避難するための「避難タワー」の整備が進みつつあります。

その避難タワーは工作物なのか?
それとも建築基準法でいうところの建築物なのか?

後者なら建造にあたり日照権の問題などさまざまな規制を受ける
ことになりますが、人命を守るための建物が規制を受けることで
本来の目的を果たしにくくならないか?
といった議論が起こってくるんですね。

現に東北の被災地では避難タワーが工作物と認定され、
西日本の別の場所では建築物と認定される例もあったようで、
認定する側にも非常に慎重な判断が求められてきます。

法律は社会に必要不可欠ですし、特例の量産は混乱を招きますが、
問題や解決策の「本質」がなんであるか、私たち一般市民も
ちゃんと関心をもっていなければいけないな、と感じます。

…そんな訳で、今回は建築物と工作物についてでした。

【解体サポート】

 

□■□基準を満たした安心の解体業者を無料でご紹介□■□
2004年のサポート開始からご相談件数 累計50,000件以上

-建物解体ブログ

執筆者:

関連記事

空き家に火災保険

誰も住んでいない空き家を持っていると様々なリスクを伴いますが、一番怖いものは「火災」ではないでしょうか? しかも恐ろしいことに火災の原因で一番多いものは「放火」だそうです。 そんな中、「空き家に火災保 …

no image

アスベストを吸い込んだ恐れのあるヒト対象の無料検診

アスベスト(石綿)による中皮腫(ちゅうひしゅ)の発生状況を調査するために来月1日から、アスベストを吸い込んだ恐れのある人を対象にした無料検診を始めることが厚生労働省から発表されました。 「静かな時限爆 …

「自粛」こそ最高の美徳?

最近「自粛こそ日本人の美徳」という認識が極端になってしまっている気がします。 もちろん、「自粛」は大切な日本人の美意識だと思いますし、思いやる気持ちの表れだと思います。 同じ日本人として被災地の方々の …

頼まれ事は 試され事

先日の「解体サポート勉強会、情報交換会」 今回は講師を招いての講演会を企画しました。 講師は「中村文昭」さん。三重県出身でブライダルレストラン・飲食店を経営されています。 とても、実のある、心に響くお …

老朽空き家をアパートに!

解体サポートには様々なお悩みをお持ちの方から日々たくさんのお問合せを頂いています。 皆さまの「生の声」は社会情勢を色濃く反映していて、最近では古くなった空き家のご相談がとても増えています。 「空き家に …

2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031