12月に入り、全国から「火災に遭ってしまったのですが、火災現場の解体見積もりをおねがいします」というお問合せが顕著に増えてきています。
空気の乾燥するこの時期は特に注意が必要です。
火災に遭ってしまった場合、非常に困ることの一つが「類焼」した場合です。
隣家から類焼して自宅が燃えた(あるいは逆に相手の家を燃やしてしまった)場合に関係する法律が「失火責任法(失火法)」ですが、明治32年にできた古くて非常に短い法律です。
【失火の責任に関する法律】
民法第709条の規定は、失火の場合には適用せず。但し、失火者に重大な過失があったときは、この限りにあらず。
当時は木造住宅が多く、失火すると非常に多大な損害が発生することが背景にあるようで、
一個人ではまかないきれないほどの損害が発生するため、軽過失による失火については免責されます。
ところで、民法709条とは・・・
【民法709条】
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
つまり失火の場合は軽過失の場合には損害賠償責任を負わない。
しかし、「著しい落ち度」があった際には損害を賠償する責任を負うという事で、
よく引き合いに出されるのが下記の失火責任法の重過失の判例です。
・てんぷら油の入った鍋に火をつけたまま台所を離れたため、過熱されたてんぷら油に引火して火災が発生
・電気コンロを点火したまま就寝し毛布が電気コンロにたれさがり、毛布に引火し火災
・寝タバコによって引火し火災発生
個々の状況によって事情が異なるので、上記理由があったら即「重過失」となるという事ではなく、最終的には裁判所が判断することですのでご注意下さい。
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