こんにちは。
今日はこんなニュースから。
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アスベスト、建築物になお残存 災害時の飛散対策に課題
(産経新聞 10月10日より)
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報道などでよく耳にするアスベストという単語。
決して遠い世界のモノではなく、実は私たちの身の回りの
目につかないところに大量に眠っているモノだったりします。
今朝の朝刊の一面にも、大阪・泉南アスベスト訴訟で
国の責任を認める最高裁判決が出たと報じられたばかりですが、
アスベストは別名「石綿(せきめん/いしわた)」と言って、
その正体は繊維状に変形した「鉱物」です。
登場したころは、断熱性、防火性、防音性などに優れており
「奇跡の鉱物」
と呼ばれていたのだとか。
鉄骨造の建物に多用され、周囲の気温を変化させやすい
むき出しの鉄骨に吹き付けて保温材として大量に使用されました。
現在40代以上の方は、小学校の理科の実験で使った
「石綿付き金網(いしわたつきかなあみ)」
を覚えている人も多いのではないでしょうか。
10cm四方くらいの金網の真ん中に、丸く石綿が吹き付けてあり、
下からアルコールランプで炙っても平気だったアレです。
そんなアスベストですが、研究が進むと人体への有害性が明らかになりました。
別名「静かなる時限爆弾」の通り、大量に吸い込んで数年~10年以上経ってから
肺癌など重篤な肺病を発症する可能性が高い、というものです。
結果的に1970年代中盤から徐々に規制が強化され、今では飛散性のものが
新規に使われることは無いのですが、冒頭の通り、規制以前に使用されたまま
壁材や天井の裏に大量の吹付アスベストが眠っていると推測されています。
これを書いている私は20数年前、設備工として新築・改修を問わず
建築現場にいましたが、ある日、モーテルの1階ガレージで作業していた際、
天井の吹付アスベストが突然崩れて降ってきて、わずかではありますが
舞い飛んだアスベストを吸い込んでしまった事があります。
科学の力は本当にすごいと思う一方で、よい所ばかりの「奇跡」
なんて都合のよいものは存在しないのかもしれないなぁ、
と思う秋の夕暮れ時なのでした。
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