「古くなった空き家を解体したいけれど、解体すると固定資産税が高くなると聞いた……」
空き家の解体を検討している方から、このような相談をいただくことがあります。
実際、住宅が建っている土地には、固定資産税の負担を軽減する「住宅用地の特例」が適用されている場合があります。そのため、建物を解体して更地にすると、この特例の対象から外れ、土地にかかる固定資産税が高くなる可能性があります。
「それなら、古い家でも残しておいた方が得なのでは?」と思ってしまいますよね。
しかし、固定資産税だけを見て解体するかどうかを判断するのはおすすめできません。
空き家を長期間所有するのであれば、税金だけではなく、維持管理費や建物の劣化、近隣への影響、将来的な売却まで含めて考えることが大切です。
今回は、「解体すると固定資産税が上がる」というデメリットを踏まえたうえで、それでも解体を検討した方がよいケースについて解説します。
【なぜ解体すると固定資産税が上がるの?】
まず知っておきたいのが、住宅用地に対する固定資産税の特例です。
住宅が建っている土地については、一定の条件を満たすことで、土地の固定資産税の課税標準が軽減される仕組みがあります。
そのため、建物を解体して更地にすると、この住宅用地の特例が適用されなくなり、土地の固定資産税が大きく変わる場合があります。
ただし、「家を壊したら必ず固定資産税が何倍にもなる」と単純に考えるのも注意が必要です。
土地の評価額や面積、住宅の種類、自治体の制度などによって税額は異なります。また、建物がなくなることで、建物そのものにかかっていた固定資産税はなくなります。
つまり、解体後の固定資産税が実際にいくらになるのかを確認したうえで判断する必要があります。
【「税金が上がるから空き家を残す」は本当に得?】
ここが、空き家の所有者が特に考えておきたいポイントです。
確かに、解体によって土地の固定資産税が増える可能性はあります。
しかし、古い家を残しておけば、費用がまったくかからないわけではありません。
誰も住んでいない家でも、定期的な換気や清掃、庭木の手入れ、害虫対策、雨漏りの確認などの管理が必要です。
遠方に住んでいる場合には、管理のために交通費がかかったり、管理会社や業者に依頼する費用が発生したりすることもあります。
さらに、建物の老朽化が進めば、屋根や外壁などの修繕が必要になる可能性もあります。
つまり、
「解体した場合に増える税金」だけを見るのではなく、「空き家を残し続けるために必要な費用」も含めて比較することが重要です。
【空き家は放置するほどリスクが増える】
古い建物をそのまま放置していると、建物の劣化が進みます。
屋根や外壁が傷んだり、雑草や庭木が伸びたり、害虫や害獣の発生につながったりする可能性もあります。
さらに、台風や大雨、地震などによって建物の一部が破損し、近隣の住宅や道路などに影響を与えるリスクもあります。
空き家問題への対策として、近年は所有者に適切な管理を求める動きも強まっています。
特に、管理が不十分な空き家については、状況によって「管理不全空家」や「特定空家」として行政から指導等の対象になる場合があります。
「誰も住んでいないから、何もしなくても大丈夫」と考えるのではなく、将来的なリスクまで考えておく必要があります。
長くなってきたのでいったんこの辺で今回は終わります。
次回は、資産価値としての土地活用と税金・諸費用の面からの考察です。







